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日常茶飯の人間模様を屈託なくユーモアたっぷりに描いた風俗画家
ヤン・ステーン Jan Steen (1626年-1679年)

この方の作品は、現在でも350枚程度が残っているようです。
この方の作品は傑出した1枚があるというより、数多く見れば
見るほど、その素晴らしさに驚かされるタイプです。

羽目をはずして酔いつぶれた人たちがかなり多く描かれています。
ただ、ユーモラスで屈託がなくおおらかです。

また、ユーモアの中にも、教訓的な要素が含まれています。
ドラマのワン・シーンを、絵にしたような描きかたです。
事実をそのまま記録した絵とは、少し違うようです。

画家組合の役員や組合長を務めると同時に、父親から
受継いだ酒の醸造所、続いて宿屋(パブ?)の
経営もおこなっていたといわれています。

ジャンルも広く風景画や肖像画もこなしています。
まず、肖像画2枚からご覧ください。

着物(和服)と思われる服を着た肖像画1(Second Wife of Gerrit Gerritsz Schouten) 1665年
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オランダ語で「japon(ヤポン)」は、「japonsche rock」「japonse rok」が短縮された言葉で
着物のことを意味します。当時、資産家のステータスシンボルとして
人気があったようです。当初日本から持ち込まれた着物は
オランダ商館の人たちが江戸参府のおりに将軍家から
贈られたものであったり、旗本から贈られもので
あったようです。 相当な高級品と思われます。

上の絵の着物は、五つ紋の紋付(正服)で
紋は、 家紋で、上り藤か稲紋でしょうか?
(家紋以外の装飾紋の可能性もあり)


着物・和服と思われる服を着た肖像画2(Gerrit Gerritsz Schouten) 1665年
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上2枚の作品を見ても分りますが、寝巻きなどの上に羽織るガウンと して家の中で
着るだけではなしに、外出にも上着として着用 されたといいます。

上の絵2枚、着物と思われる服の下は、正装の のようです。

この流行は、18世紀へも続き、オランダのみならず他の国にも広まっていったようです。
18世紀後半、モーツアルトの歌劇「魔笛」の主人公の服装にも影響しているそうです。

他に和服を着た肖像画を描いた人には
Bartholomeus van der Helst(1613-1670)
Anna Elisabeth van Deede(1652-1682)
Ferdinand Bol(1616-1680)
Jan Vermeer(1632-1675)
Frans Hals(1582-1666)
などがいます。
(ボルの作品は風景・生活画の続編に掲載)
(フェルメールの作品は風景・生活画に掲載)



アムステルダム国立美術館(レイクス・ミュージアム)には当時の着物が残っています。
このアムステルダム国立美術館(Rijksmuseum Amsterdam)では
1675-1760年の 着物所蔵品をホームページで公開しています。
7枚 程がご覧になれます。直にご覧になれるリンク先は
下記です。クリックすると別ウインドウで開きます。

http://www.rijksmuseum.nl/zoeken/search.jsp?query=Japonse%20rok&lang=nl&start=0&focus=assets

(注:このページはオランダ語のみです。他のページには、英語で見れるものもあります)

着物の大型画像1枚をご覧になるには、下をクリックして下さい。
http://www.rijksmuseum.nl/assetimage.jsp?id=NG-NM-1106


この着物の話は、「ケンペル展」(1990-91年)図録の中の解説
「ケンペルとヨーロッパの日本観」クライナー・ヨーゼフ著に
書かれています。

「japonsche rock」と「japonse rok」について:
クライナー・ヨーゼフさんの記述では、オランダでの着物の
呼び方を「japonsche rock」と書いていますが
この言葉で、ネット検索をかけても、着物の
ことは、ほとんど出てきません。

「japonse rok」と言うオランダ語の「rok」の
現在の意味は、英語で、skirt, petticaot
tailcaot,claddingでrobeに近いものの
ようです。




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source:wikimedia




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source:visipix。  婚約の場面です。




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結婚式の様子です。




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source:visipix。  結婚式の様子です。




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source:visipix




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source:visipix




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source:visipix




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source:visipix


雑談

風呂について

17世紀の西洋では、ほとんど風呂に入ることがなくなって
います。
風呂に入らなくなったのは、16世紀初め頃からと言われて
います。
自宅でも風呂には、ほとんど入らなくなったようですが
共同風呂は、なおさらのようです。

15世紀末から16世紀初めに、隣の国ドイツのデューラーは
共同風呂の様子を何枚か描いていますが
この頃が最後であったようです。

風呂に入らなくなった理由は、ペストや梅毒の流行が
風呂に関係していると考えたためです。




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雑談

髑髏、花、楽器について

17世紀オランダ・ベルギーの風俗画には、上の絵の中にある
ような髑髏、リュート、しんなりした花が描き込まれていることが
往々にしてあります。

実際の生活の場で、このようなものがゴロゴロしていたとは
考えられません。

旧約聖書の格言・ヴァニタス・Vanitas(現世のむなしさ、はかなさ)
を喚起させる象徴・記号といえるものです。

この地域は、キリスト教でも早い時期に新教系の人が多くなった
ようです。
この新教系の考えでは、キリストやマリアの肖像を飾るのを
嫌っています。

キリストやマリアの肖像を直接描く代わりの役割があったと
思われます・

髑髏、楽器、盛期を過ぎた花、熟れきった果実、貝殻、時計
ロウソクなどが、その象徴とされます。
タバコなども、この一種とする人もいます。



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source:visipix



これから下3枚は、メイン・ぺージやレンブラントのページにも掲載しており重複します。
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雑談

食事の仕方について

17世紀のオランダでは、フォークはまだ使われていなかった
ようです。

17世紀オランダの風俗画をかなりの枚数見ておりますが
フォークが描かれているものは、見たことがありません。

ナイフは、共用のものが1本程度、スプーンに関しては
各人めいめいのものを使用していたようです。

スプーンは、スープを飲むときに使用していたようです。
固形の食べ物は、手づかみが普通のようです。

フォークの使用は、イタリアが早く、イタリアから17世紀頃
西欧全体に広まっていったと言われていますが
オランダの絵で見る限り、この地域では、まだ広まっていない
といえそうです。



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source:visipix
書いてあるのもが見当たらないという意味で、不確実ですが
絵の中の画家が着ているのも着物ではないか思います。
着物は、資産家から始り、学者、学生、画家などの
芸術家が 好んで着たようです。



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source:wikimedia




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部分
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source:visipix




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17世紀のオランダを扱った本では、この方の作品を
説明の途中に挿入しているものがたくさんあります。
それだけ、この方の作品は当時の状況を知るために
役に立つのもであると言えるようです。

注1)画像はすべてフォト・レタッチ・ソフトにより加工を行っています。

注2)各画像の下にsource名のないものは、royalty-freeのデータを元にしています。


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(このホームページの製作・責任は、安藤 勇が負っております)